イントロダクション

現在の女子中学生同士の殺人事件から、かつて26年前に起きた触法少年の少女殺人事件が浮かび上がる。時を得ても繰り返される幼き世代の犯罪。少年法により罪を償い、償われる機会を失った人々はどう生きれば良いのか?いつになったら人は許されるのか?どうすれば許すことが出来るのか?癒されることのない傷を抱えた人々の希望と再生のヒューマンドラマ。
監督は原田眞人、成島出、篠原哲雄、深川栄洋などの助監督を経て本作が第一回監督作品となる島田伊知郎。キャストに内田周作、猪爪尚紀ほか実力派俳優が結集、吉本実憂が花を添える。撮影・西村博光(『百円の恋』)、録音・藤本賢一(『八日目の蝉』)、美術・遠藤剛(『斬』ほか)1流の日本映画のスタッフも参加。

ストーリー

「本当に幸せになっていいのか……」
13歳の時に友達の犯行で妹を亡くした新聞記者の月野木薫。結婚式も控え、友人・岡田の子供たちの世話を手伝い、幸せな日々へ期待を抱く一方、亡き妹に対する後ろめたい気持ちが募る。そんなある日、中学校の屋上から女子中学生が転落死する事件が発生。薫が突き止めた加害少女は、岡田の娘・茜だった。「……茜ちゃん、中2でしたよね」「それがどうかしたんですか?」「14歳かどうかが重要なんです。刑法では14歳未満の少年少女には刑事責任能力がないとされているので刑罰の対象にならないんです……」「……茜、来週誕生日です。まだ13です」無言の帰宅を果たす被害少女。兄のように慕われていた香川晃は堪えきれず嗚咽する。彼もまた、薫の妹を殺害した過去を持つ元加害少年だった。運命に引き戻された薫と晃は、少年期とは逆の立場でその悲しみを知る。
そして止まった時計の針を動かすように、二人は再会することに……。

キャスト

内田周作Shusaku Uchida

兵庫県出身。沖縄で演劇・CM・TVと活動した後上京。「この空の花~長岡花火物語」(大林宣彦監督)に出演、その後も大林作品に数多く出演。主な出演作は「野のなななのか」(14/大林宣彦監督)、「二十六夜待ち」(17/越川道夫監督)、「変魚路」(17/高嶺剛監督)、「海辺の映画館~キネマの玉手箱」 (20/大林宣彦監督)、「LOVE LIFE」(22/深田晃司監督)、「ドーナツもり」(22/定谷美海監督)などがある。

コメント

オーディションの誘いとともに手元に届いた台本。そこに描かれていた、忘れる事のできない過去に縛られた登場人物たちの物語は、コロナ禍の始まりの真っ只中にいた自分と向き合うための何かを見つめるきっかけを得られるような気持ちにさせられました。映画の中の彼らのように大きな罪の意識や喪失をかかえていなくとも、自分自身や社会に対する不信や不安から気づかぬ内に幸せから逃げるように生きてしまうことはままあることで、私自身も「あの時はそうだったかもしれない」と思い出せることがいくつもあります。この作品が、そんな風に立ち止まってしまっている沢山のいつかの私自身の背中にそっと手のひらを添えるような映画になればと願ってやみません。最後になりましたが、この作品を出演者の一人として皆様にお届けできる事ができ、本当に嬉しく思っております。楽しんでご覧いただければ幸いです。

猪爪尚紀Naoki Inotsume

日本大学藝術学部映画学科在学中に劇団ブルドッキングヘッドロックに入団。以降、CM、映画、ドラマ、舞台を中心に活動、近年も舞台「素敵なカミングアウト」NHK「剣樹抄〜光圀公と俺〜」日本テレビ「ランチ合コン探偵」ほか出演の中、さらにテニス指導監修、映像制作、と多岐に活動の幅を広げています。

コメント

許すこと、許されること。その基準は何なのか。台本を初めて読んだ時に、その様に思ったことを強烈に覚えております。自分の中の割り切れない気持ち、隠したい感情、抗えない痛み。そんな登場人物の心情を島田監督と共に丁寧に紡いできました。今の時代だからこそ、この様な作品に関われたことを嬉しく思います。作品を見ていただいた皆様に、何かしらの希望の光をお届けできたら幸いです。

スタッフ

監督・脚本:島田伊智郎

石川県出身。1977年生まれ。映画に関わっていた従兄弟の影響で日本映画学校で映画を学ぶ。卒業後は助監督として映画に関わる。原田眞人、成島出、篠原哲雄らの下で助監督として学び、演出の本質に目覚め、現在に至る。

コメント

今の世の中を生きる我々が重く受け止めなければならないことを鋭く訴えかけてくる、作品全体から言葉にならない叫びが聞こえたように思います。 許されるべき人、必要以上に苦しんでいる人、そういった人が生まれる原因はどこにあるのか。本当の意味で可哀想な人とは、人を傷つけることで己の何かを満たしている人だと感じさせられました。 この映画に込められた想いが沢山の方に届きますように。

林遣都(俳優)

犯罪を犯した側と、その犯罪の被害者家族。どちらの傷も憎しみも時間は解決してくれない。逆に深くなっていくことさえあるのだとこの映画は気付かせてくれる。本当に人が人を赦す、ということはどういうことなのか。切ない痛みと希望を、登場人物と同じ地平に立ち、誠実に汲み取った新人監督に拍手を送ります。

成島出(監督)

底辺を這いずり廻る者たちへの共感。
絶望だけの人生が折り重なった先に待つものは、
ただの死、それとも──。

島田荘司(作家)

私の現場で、島田は常に冷静に脚本を分析し、時に彼独特の大胆な見解を示し、作品への寄与をしてくれた。そんな彼のオリジナル作品に期待せざるを得ない。案の定、本作は一筋縄ではいかないギミックが敷かれている。昭和の風情が懐かしく、一見今時の映画ではない気もするが、鬼気迫る後半の展開は紛れもなく今でないと撮れない映画だと感じる。

篠原哲雄(監督)

人間はどういう生き物なのか?とあの頃からずっと考えている。
監督は出会った8年前とまったく変わらない。映画を観てそう思いました。
キャメラと若い役者たちの仕事は素晴らしく、不知の自覚からの苦悶が刺さります。
あの屋上に、あの部屋に、自分も一緒に居たような錯覚を起こしそうになる。
テミスの持つ天秤では測れない罪がある、そう感じました。

深川栄洋(監督)

辛い。正解がない問題に辛い。それぞれのいたみ、それぞれの救い、きっとどこかに救いがあるはずだと願い思うその心が映画には描かれ、見た人がそれを心から考える。
そして私も考える。いつかの救いを求めて。

尾野真千子(俳優)

順不同

劇場情報

エリア 上映劇場 TEL 上映期間 前売り券
北海道 札幌 サツゲキ 011-221-3802 12/23~
東京 新宿 K's cinema 03-3352-2471 上映終了
神奈川 横浜シネマジャック&ベティ 045-243-9800 順次公開予定
栃木 小山 小山シネマロブレ 050-3196-9000 12/2~
愛知 名古屋 シネマスコーレ 052-452-6036 順次公開予定
石川 金沢 イオンシネマ金沢 076-258-7575 上映終了
白山 イオンシネマ白山 076-256-3110 上映終了
大阪 十三本町 シアターセブン 06-4862-7733 上映終了
京都 西九条 京都みなみ会館 075-661-7853 上映終了
広島 福山 福山駅前シネマモード 084-923-6800 順次公開予定
福岡 博多 福岡中洲大洋 092-291-4058 上映終了